10月14日に募集を開始する案件を紹介します。
rosy tokyo社の案件評価
案件評価は以下の通りです。
経営者/経営陣 | ★★☆☆☆ |
ビジネスモデル | ★★☆☆☆ |
計画性 | ★★☆☆☆ |
満額募集後時価総額 | 0.94億円 |
総合評価(A~E) | D |
最終目標はM&Aとのことです。時価総額が1億未満です。時価総額が低いため成長したときのリターンは大きいです。投資妙味はあると思います。
他案件との比較はまとめ記事に載っております。

ご注意:投資型クラファン業界発展を心から願っているため、相当な辛口評価です。案件の良し悪しを把握するため、他の方の意見や他ブログ等も読んで、よく考えてから投資をしてください。
基本情報
会社の基本的な情報をまとめました。
会社名 | rosy tokyo |
代表者 | 髙橋万里菜さん |
創業年 | 2018年8月 |
分野 | 妊活、ハーブ |
会社URL | https://www.rosytokyo.com/ |
案件URL | https://fundinno.com/projects/94 |
https://twitter.com/rosy_tokyo |
髙橋代表取締役インタビュー
髙橋万里菜代表のインタビュー動画です。
目標額と募集日程
目標募集額、日時については以下の通りです。
今回は、10株10万円から投資可能です。
目標募集額 | 7,700,000円 |
上限応募額 | 15,700,000円 |
募集開始日 | 2019年10月14日 10:00 |
募集終了日 | 2019年10月16日 |
rosy tokyoの経営者
評価:★★☆☆☆
経営者としての姿勢は?
代表の髙橋さんはMerry Roseという会社を兼任しているようです。Merry Roseはrosy tokyoの親会社のようです。親会社で資金調達されない理由は不明です。子会社による資金調達の私の考えは以下の通りです。

経営陣はどうか?
CTOとCOOの方が他社の代表取締役を兼任されています。能力的には問題ないとは思うのですが、どれだけこの事業に関わっているのか不明です。財務実績に関しては雑な印象を受けます。1年でこれほど財務が痛んでしまう前に、取締役の誰かが適切なアドバイスをできなかったのでしょうか?
rosy tokyoのビジネスモデル
評価:★★☆☆☆
「herbaby」という妊娠に関するプログラムを提供していくようです。「herbaby」ではオンラインの相談、カウンセリング、セミナーやワークショップを通したコミュニティの形成、カラダ作りに合わせたハーブのブレンドを提供していくようです。ハーブの販売や提携先クリニック等からの仲介手数料にてマネタイズを行うようです。
引用:FUNDINNO公式サイトより
需要はあるか?
妊娠や産後に悩みを抱えたりストレスをもつ方は多いと推測されます。核家族化が進み、周りに気軽に相談したり手伝ってくれる方がいないというのはよく聞く話です。定量的なデータがないので出生率の改善につながるのかは不明ですが、妊婦や産後のケアという需要はあると思います。
事業の優位性?
専門ショップでの食品の販売、パーソナライズされたハーブティー、クリニック等の紹介。これらは個別にアクセス可能であり、目新しいものではないと思います。誰でも模倣可能であり、仮に繁盛すれば続々と参入者が出てくるでしょう。
事業構築の順番
事業として解決したいことは分かるのですが、ハーブ物販やクリニック紹介が出生率の低下に歯止めをかけられる気がしません。それよりもコミュニティの形成の方が理にかなっているのかなと思います。そちらを優先して事業を構築していくのが良いのかなと思います。出産経験のある方や妊活経験者の生の声を聴きたいし、気軽に相談したいのでは?と思います。
ターゲットとサービス内容
「妊娠したものの体調が悪く買い物ができない。代わりに買い物してほしい」とか。少し手助けするだけで解決するということが沢山あると思います。単にカウンセリングというレベルではなく、殆どすべてのリクエストに対応するような「妊活何でも屋」的なものを目指すと良いと思います。核家族化が進む前は親や親戚や近所の人がやってくれたことです。これがなくなったから出産や育児に対するストレスがたまりやすく、将来への不安や未知への恐怖が消えないのではと思います。女性のすべての悩みや不満等につきっきりでケアするくらいの事業を構築できれば、出生率の改善になるでしょうし、真似のしにくい事業ができあがるでしょう。
妊活→妊娠→出産→産後を経験する方すべてをターゲットにするのはやめた方が良いです。富裕層向けに絞ったフルケアで高価格のサービスとした方が良いです。富裕層向けフルケアサービスを目指すのであれば、提携する病院等も限られますので営業がしやすくなります。事業の構築のしやすさは段違いに楽になるでしょう。料金も高めに設定できますし、少ない人数にアプローチ(営業)するだけで売上が立ちやすく、資金面でも楽になるのではと思います。
rosy tokyoの計画性
評価:★★☆☆☆
前年実績
1年目の実績で既に債務超過ですし、現金も残り少ない状態です。お金の使い方が雑だと思います。会社資金には限りがあるのですから、お金ではなく頭を使って事業を運営していかないと、追加で資金調達してもすぐに資金は枯渇してしまいます。。
今後の見込み
追加で資金調達の予定があるとのことです。今期見込みは大きな赤字の計画ですし、長期借入金の返済もあるようです。資金繰りが若干心配です。
引用:FUNDINNO公式サイトより
rosy tokyoのIPO時リターン
募集前のバリュエーション(時価総額)は0.79億円です。上限のバリュエーションは0.94億円です。今回のバリュエーションは相当低いです。
IPO時に何倍になるのかは、時価総額により変わりますので、一概には言えません。成長性や事業規模、需給等によって変わりますが、他の企業が上場した際の時価総額が参考になると思います。
参考企業 | 初値時価 | 投資に対するリターン※万円 | ||
10万円 | 30万円 | 50万円 | ||
識学 | 111億円 | 1170 | 3509 | 5848 |
カオナビ | 209億円 | 2202 | 6607 | 11012 |
スマレジ | 292億円 | 3077 | 9231 | 15385 |
Mフォワード | 548億円 | 5774 | 17323 | 28872 |
Sansan | 1420億円 | 14963 | 44889 | 74816 |
仮に、識学 並みの時価総額で上場し、初値で売った場合は以下の通り。
- 10万円投資 → 1170万円
- 30万円投資 → 3509万円
- 50万円投資 → 5848万円
※募集額が満額集まった場合のシミュレーションです。募集後に発行株数が増減した場合、この通りにはなりません。税金を考慮していません。
※会社が倒産した場合など、投資資金がゼロになるリスクがあります。上場企業と違い自由に株を売ることができません。出資したまま資金が何年も拘束されることもあります。
FUNDINNO 94号案件 rosy tokyoまとめ
まとめです。
子会社での資金調達。
経営陣は兼業しているメンバーが多い。
事業実績を見る限り計画や会計マネジメントに疑問符。
バリュエーションは1億円未満と非常に安い。
目的や目標とすることは崇高で素晴らしいと思うのですが、もう少し事業自体を見つめなおして、具体的なターゲットやビジネスの形を構想構築して欲しいと思います。資金には限りがありますので、もっと大事に資金を使った方が良いと思います。前述したように富裕層向けのサービスという位置づけにするのが一つの考えかなと思います。
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