10月2日に募集を開始する案件を紹介します。
株式会社MUの案件評価
案件評価は以下の通りです。
経営者/経営陣 | ★★★☆☆ |
ビジネスモデル | ★★☆☆☆ |
計画性 | ★★★★☆ |
満額募集後時価総額 | 1.60億円 |
総合評価(A~E) | C+ |
IPOではなくバイアウトが目標です。競争環境は厳しそうですが、他案件より時価総額が低く投資妙味はありそうです。財務が安定していますので、安全な投資を望む方には良い案件かもしれません。
他案件との比較はまとめ記事に載っております。

ご注意:投資型クラファン業界発展を心から願っているため、相当な辛口評価です。案件の良し悪しを把握するため、他の方の意見や他ブログ等も読んで、よく考えてから投資をしてください。
基本情報
会社の基本的な情報をまとめました。
会社名 | 株式会社MU |
代表者 | 田村泰弘さん |
創業年 | 2013年1月 |
分野 | ヘルステック |
会社URL | https://llcmu.jp/ |
案件URL | https://fundinno.com/projects/92 |
商品 | https://llcmu.jp/item_list.html |
携帯型の超音波プローブを発展途上国に販売していくようです。
田村 代表取締役インタビュー
田村代表のインタビュー動画です。
目標額と募集日程
目標募集額、日時については以下の通りです。
今回は、40株10万円から投資可能です。
目標募集額 | 13,000,000円 |
上限応募額 | 35,000,000円 |
募集開始日 | 2019年10月2日 19:30 |
募集終了日 | 2019年10月4日 |
株式会社MUの経営者
評価:★★★☆☆
経営者としての熱意や経験は?
2015年に代表取締役に就任され、会計実績を見る限りそれなりの結果を残されています。技術者としても優秀だと思いますし、経営者としても問題ないと思います。発展途上国の医療を変えたいという情熱をお持ちです。
経営陣のスキルは?
長年営業職をされてきた方もいますし、技術的な面も心配ありません。経営計画を見る限り無難な計画をたてています。堅実な経営をできるのではないかと思います。
途上国をメインターゲットとしていますので、海外に強い方が必要だと思いますが、経験のある方がいるように見えません。代理店を使って卸していくということですので、あまり問題ないかもしれませんが、途上国ごとに法律や事情は異なりますので、そう簡単にはいかない気もします。
株式会社MUのビジネスモデル
評価:★★☆☆☆
携帯型の超音波プローブを発展途上国に販売していくようです。従来の大型超音波診断機器に比べ小型で低価格なようです。
引用:FUNDINNO公式サイトより
需要はあるか?
ターゲットは発展途上国ということですが、需要はあると思います。後述していますが、需要が大きいからこそ、競合が多くいるようです。
競合は?
多くの競合がありそうです。価格の載っている会社がありましたのでURLを張っておきます。
SIGMAXの商品↓

Vscan(GEヘルスケア)↓
価格優位性があるという話でしたが、確かにMU社よりも高い価格のところもあります。しかしSIGMAXでは似たような価格で販売されていますので、それほど価格優位性はないと思います。このSIGMAXという会社は売上100億円くらいだそうです。また、各社とも部品原価的に安価にできるはずで、競争が始まれば価格競争になるでしょうし、販売台数の多い会社が有利になるでしょう。ちなみにキャノンメディカルシステムズ、コニカミノルタで似たような製品を見かけました。
SONIMAGE P3(コニカミノルタ)↓
Viamo sv7(キャノンメディカルシステムズ)↓
このような中で、製品の価格や性能で優位性を築くのは容易なことではありません。製品自体で優位性を築くよりも、途上国ででいち早くシェアを獲得して入り込む余地を無くすとか、大手と組むとか、ビジネスモデルとして優位性を築くことに注力した方が良いように思います。
途上国はお金がありませんので、価格が他社比で安くても買ってくれるかわかりません。もっと使ってもらうためにはリース方式だったり、もうひと工夫が必要な気がします。
株式会社MUの計画性
評価:★★★★☆
前年実績
既に数千万円の売上あります。人件費も他案件に比べて多いですが、赤字は少なく、問題ないでしょう。保有現金も多く借入金も無いように見えます。財務の安定性は、募集案件の中でも群を抜いています。より安全な会社に投資したいという方には良い案件かもしれません。
今後の見込み
売上計画も費用計画も無難に見えます、十分に達成可能だと思います。5年後の売上が10億円未満とされているのは、保守的なのか競争環境が厳しいと認識されてのことなのか分かりませんが、IPOをするには厳しい売上です。ExitはM&Aの予定とあります。
引用:FUNDINNO公式サイトより
株式会社MUのIPO時リターン
募集前のバリュエーション(時価総額)は1.25億円です。上限のバリュエーションは1.60億円です。今回のバリュエーションは比較的安いです。
IPO時に何倍になるのかは、時価総額により変わりますので、一概には言えません。成長性や事業規模、需給等によって変わりますが、他の企業が上場した際の時価総額が参考になると思います。
参考企業 | 初値時価 | 投資に対するリターン※万円 | ||
10万円 | 30万円 | 50万円 | ||
識学 | 111億円 | 694 | 2081 | 3469 |
カオナビ | 209億円 | 1306 | 3919 | 6531 |
スマレジ | 292億円 | 1825 | 5475 | 9125 |
Mフォワード | 548億円 | 3425 | 10275 | 17125 |
Sansan | 1420億円 | 8875 | 26625 | 44375 |
仮に、識学 並みの時価総額で上場し、初値で売った場合は以下の通り。
- 10万円投資 → 694万円
- 30万円投資 → 2081万円
- 50万円投資 → 3469万円
※募集額が満額集まった場合のシミュレーションです。募集後に発行株数が増減した場合、この通りにはなりません。税金を考慮していません。
※会社が倒産した場合など、投資資金がゼロになるリスクがあります。上場企業と違い自由に株を売ることができません。出資したまま資金が何年も拘束されることもあります。
FUNDINNO 92号案件 株式会社MUまとめ
まとめです。
経営者は安定した経営の実績あり。
経営陣はバランスが良い。
事業計画や費用計画は堅実。
競合が多く競争環境は厳しい。
バリュエーションは低く投資妙味あり。
最終目標はIPOではなくバイアウト。
途上国の医療事情を良くしようという志や熱意は分かりますが、競争環境はかなり厳しいと思います。製品の優位性を高めるのは良いと思いますが、途上国の方々が買いやすくなる仕組みや何かくふうをする必要があると思います。
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