【FUNDINNO89号案件】monocla株式会社

FUNDINNO

9月19日に募集を開始する案件を紹介します。

monocla株式会社 案件評価

案件評価は以下の通りです。

経営者/経営陣 ★★★☆☆
ビジネスモデル ★★★☆☆
計画性 ★★☆☆☆
転換上限時 時価総額 5.1億円
総合評価(A~E) C

需要はあると思いますが、今のままではIPOに至るには少し厳しいと思います。

 

他案件との比較はまとめ記事に載っております。

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ご注意:投資型クラファン業界発展を心から願っているため、相当な辛口評価です案件の良し悪しを把握するため、他の方の意見や他ブログ等も読んで、よく考えてから投資をしてください。

基本情報

会社の基本的な情報をまとめてみました。

会社名
monocla株式会社
代表者 嵐保憲さん、那須岳志さん
創業年 2014年3月
分野 IT
会社のURL https://monocla.co.jp/
案件のURL https://fundinno.com/projects/89
twitter https://twitter.com/monocla1

施工会社とユーザーをつなぐプラットフォームです。ポイント制度を導入することで、エコシステムを構築し、継続的に使ってもらえるプラットフォームを構築しようとしているようです。

代表取締役インタビュー

那須岳志さん、嵐保憲さんのインタビュー動画です。

目標額と募集日程

目標募集額、日時については以下の通りです。

今回は、1株10万円から投資可能です。

目標募集額 25,000,000円
上限応募額 80,000,000円
募集開始日 2019年9月19日 19:30
募集終了日 2019年9月21日

 

monocla株式会社の経営者

評価:★★★☆☆

経営経験はあるか?

代表者は2名おり、2人ともに経営経験ついては十分にあると思います。経営者としての能力は問題ないと思います。

子会社での資金調達ですので様々な懸念があります。子会社での資金調達についての懸念については下記の記事をご覧ください。また会長は兼任ですので、この点についても懸念はあります。

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経営陣のスキルは?

優秀なメンバーが揃っていると思います。バランスの取れたメンバーと言えると思います。問題なく運営していくことができると思います。

ただ、親会社を役職を兼任している方が多く、こちらの事業に専念できるのかは不明です。

 

monocla社のビジネスモデル

評価:★★★☆☆

施工会社とユーザーをつなぐプラットフォームです。ポイント制度を導入することで、エコシステムを構築し、継続的に使ってもらえるプラットフォームを構築しようとしているようです。

 

引用:FUNDINNO公式サイトより

需要はあるか?

需要はあると思います。人口減で空き家が増えていますし、可処分所得が少ない若者層は中古で住宅やマンションを買ってリノベーションを行う人が多くなっています。事例が写真とともに掲載されているので、、こんな感じのオシャレな部屋にしたい!というイメージしやすいと思います。

懸念点は?

競合が多い

リフォーム等で検索すると、多くのサイトがひっかかります。大手もあれば、地理的に近い業者のサイトもすぐにでてきます。このような中で差別化を行うのは相当に困難です。

差別化できるか?

ポイントで本当にエコシステムを作ることができるかは未知数です。リフォームは人生で何度もしません。何度もこのサイトを訪れることはないと思います。むしろ、ポイント欲しさに資料請求だけするとか、見学するとか、業者にとってはマイナスになる可能性もあります。正直に言って、リフォームとポイント制度というのが全く合っていない感じがします。

もう少し言うならば、お財布.comのように資料請求等をするだけで、ポイントがもらえて、現金に近いものに還元できるサービスは数多あります。もうひと工夫が必要です。

 

どうすれば機能するか?

業者の登録を増やす

とにかく業者が増えないことにはリフォーム見込み客も増えないでしょう。このサイトを使ってお客が増えなければ業者は使いません。業者に使ってもらう仕組みを整える必要があります。ポイント制度だけでは弱いので、成約に至るまでの時間を短くするようにするとか、業者にメリットがあるように設計する必要があると思います。

価格競争を促すしくみ

サイトを見させてもらいましたが、価格について未公開としている個所が多く見たいとことが見れなくて不便です。価格はすべて開示して、サイト内で価格競争させるべきです。価格.comのリフォーム版のようなサイトが理想だと思います。そういう意味では評価制度というのは良い仕組みだと思います。評価が高ければ価格競争に巻き込まれません。

ライフサイクルを意識する

ポイント制度が役に立つとすれば、他に利用できる時でしょう。中古住宅をリフォームをする若者であれば、結婚や出産等を控えている可能性が高いです。例えば、他社の結婚のサイトへ誘導してそこでポイントを利用できるようにするとか。ベイビー用品をポイントで安く買えるとか。ライフサイクル目線でビジネスを構築すると、利用される可能性が高まると思います。

 

monocla株式会社の計画性

評価:★★☆☆☆

2018年実績

前年売上が2400万あります。2019年は500万見込みですので、サイトとは別の売上と思われます。借入金があり、現金もほぼ無く債務超過寸前の状況です。

今後の見込み

売上・費用計画ともに無難な計画に見えます。2020年から何故か人件費が大幅に増える見込みです。親会社からの出向者を増やすのでしょうか。2020年に資本金及び資本剰余金が増えていますので、この調達以降に増資の可能性があると思います。

穿った見方で恐縮ですが、親会社は子会社を何社も抱える体力のある会社のように見えます。クラウドファンディングで資金調達される意図が分かりません。IPOの可能性を秘めた事業とおっしゃるのであれば、自己資金で増資するなり親会社から貸付けをすればよいと思います。そちらの方が莫大なリターンを得ることができます。

引用:FUNDINNO公式サイトより

monocla社IPO時リターン

募集前のバリュエーション(時価総額)が4.3億円です。満額、募集が集まった場合のバリュエーションは5.1億円です。

IPO時に何倍になるのかは時価総額により変わります。成長性や事業規模、需給等によって変わりますが、他の企業が上場した際の時価総額が参考になると思います。

参考企業 初値時価 投資に対するリターン※万円
10万円 30万円 50万円
識学 111億円 218 653 1088
カオナビ 209億円 410 1229 2049
スマレジ 292億円 573 1718 2863
Mフォワード 548億円 1075 3224 5373
Sansan 1420億円 2784 8353 13922

仮に、識学 並みの時価総額で上場し、初値で売った場合は以下の通り。

  • 10万円投資 →  218万円
  • 30万円投資 →  653万円
  • 50万円投資 →  1088万円

※募集額が満額集まった場合のシミュレーションです。募集後に発行株数が増減した場合、この通りにはなりません。税金を考慮していません。

※会社が倒産した場合など、投資資金がゼロになるリスクがあります。上場企業と違い自由に株を売ることができません。出資したまま資金が何年も拘束されることもあります。

 

FUNDINNO 89号案件 monocla株式会社まとめ

まとめです。

子会社での資金調達。兼任者が多い。

経営者は経営経験豊富。

経営陣はバランスがマネジメントに問題なさそう。

ビジネスモデルにいくつか懸念あり。

売上費用計画は無難。

追加増資の可能性あり。

バリュエーション比較的高い。

 

可能性は感じるものの。競合が多くポイント制度だけでは広がりを感じません。ユーザーや施工業者にとってよりメリットのあるサイトでないと人が集まらないでしょう。より評判のよく、より安い業者を見つけることができるなど、ユーザにとってリフォームと言えば、monoclaだというくらいの存在になって欲しいです。

 

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