【FUNDINNO84号案件】株式会社スタディオティガ

FUNDINNO

8月28日に募集を開始する案件を紹介します。

スタディオティガ社の案件評価

案件評価は以下の通りです。

経営者/経営陣 ★★★☆☆
ビジネスモデル ★☆☆☆☆
計画性 ★★☆☆☆
満額募集後時価総額 3.88億円
総合評価(A~E) D

IPOに辿り着くには厳しいと思います。ビジネスモデルがわかりにくく、大きく売上を伸ばすことが困難だと思われます。

 

他案件との評価の比較は、下記まとめ記事に載っております。

404 NOT FOUND | クラファンマニア
投資型クラウドファンディングについて解説します

 

ご注意:投資型クラファン業界発展を心から願っているため、相当な辛口評価です案件の良し悪しを把握するため、他の方の意見や他ブログ等も読んで、よく考えてから投資をしてください。

基本情報

会社の基本的な情報をまとめてみました。

会社名 株式会社スタディオティガ
代表者 三神 安史 さん
創業年 2018年12月
分野 新興国、教育
会社のURL http://studyotiga.com/
案件のURL https://fundinno.com/projects/84
優遇措置 エンジェル税制優遇措置A適用申請予定

教育情報プラットフォーム「Edu+」を開発し、プラットフォーム上で子供、保護者、先生に教育情報を届けます。培ってきたアジアの3600校とのリレーションを軸に、そのプラットフォームを広めていくという計画のようです。

 

三神 安史 代表取締役インタビュー

代表取締役の三神さんのインタビュー動画です。

 

目標額と募集日程

目標募集額、日時については以下の通りです。

今回は、10株10万円から投資可能です。

目標募集額 22,000,000円
上限応募額 43,000,000円
募集開始日 2019年8月28日 19:30
募集終了日 2019年8月30日

 

株式会社スタディオティガの経営者

評価:★★★☆☆

経営者としての熱意や経験は??

代表取締役の三神さんは、様々なご経験を経ているようですが、事業マネジメント経験という点では足りない気がします。

経営チーム内に会社運営経験者の方がいますので、補佐していただけるかもしれません。

事業として成り立ちそうだからやるというのは分かりますが。動画や説明を聞いている限り、動機や目標というのが良く分かりませんでした。自分の言葉で作りたい未来を熱く語って欲しいです。

 

経営陣のスキルは?

メンバーは4名で、1名は兼任のようです。

創設者の方が経営者としての長いご経験がありそうですので、事業管理やマネジメント面では問題ないかもしれません。

アジア方面で活躍されていた方もいますので、海外事業でも何も問題ないと思います。

事業計画は売上計画や費用計画に甘い点が多く、会計的な視点で見れていない感じがします。

ビジネスモデルを見る限り、構想やマーケティング戦略が曖昧で筋が通っていません、マーケティング思考や戦略立案に長けた人物が居ない可能性が高いと思います。

 

スタディオティガのビジネスモデル

評価:★☆☆☆☆

教育情報プラットフォーム「Edu+」を開発し、それをもとに、子供、保護者、先生に教育情報を届けるようです。「Edu+」に、無料でターゲットの興味の高いコンテンツを掲載するようです。

マネタイズは保護者からで、学習塾などの情報を掲載し、その資料請求や見学などのアクションに対し、200~700円課金するようです。

プラットフォーム内のターゲットに対し広告を行うようにできるようです。

引用:FUNDINNO公式サイトより

ターゲットが曖昧で戦略あやふや

東南アジアには小学校に通えない環境が存在し、初等教育の格差をなくすことを目的に会社を設立したとあります。そのような家庭の親が、そもそもインターネット環境を持っているのか疑問ですし、学校に行かせることのできない貧困層は、よほどの情報がないと課金しないと思います。

一般~富裕層の家庭は、普通に学校に通っていると思います。ネット環境があるので、いくらでも有用な情報を無料で手に入れることができます。

一体、どういう層をターゲットにしているのか理解に苦しみます。

3600の学校とコネがあるというのは結構ですが、その中のどの程度がターゲットになりうるのかを、もっと具体的にイメージできるようにビジネスモデルを洗練させるべきです。リレーションがあるからアプローチは出来ますが、顧客になってもらえるかは分かりません。

本当に有料で情報を提供できるのでしょうか?インターネット上に無料で転がっている情報よりも欲しい情報を提供しなくてはなりません。優位性のある情報をどのように仕入れるのか、スタディオティガ社に情報優位性を確保できるリソースはあるのでしょうか。

 

広告やビッグデータの販売…?

「Edu+」の利用者が増えれば、広告も可能と思いますが、Facebookでもグーグルでもターゲットへ広告は出来ますし、優位性があると思えません。わざわざ「Edu+」利用者に広告をうつというのは、地域的に非常に狭い範囲の広告ということしか優位性を見出せません。広告事業としての広がりを感じません。

この地域へ進出したい企業へデータを売るというのは可能性としてはあるかもしれません。そもそも登録者が増え、利用してもらえなければデータとして成り立ちませんので、そこに行きつくには相当な年月が必要な気がします。

 

株式会社スタディオティガの計画性

評価:★★☆☆☆

前年実績

1期ですので、実績はありません。これまでのところ売上は0のようです。

現預金は2百万程度を保有しています。研究開発費で1000万を予定していますので、この調達ができない場合は、Edy+の開発が難しく、計画自体が厳しくなりそうです。

 

今後の見込み

2020年2月にインドネシア・タイで「Edu+」をリリース予定とのこと。初年度の登録者数は合計で20万人と計画されています。広告費も数百万程度ですので、相当に高い目標に見えます。どのように実現するのかは不明です。登録者が20万人を達成しても売上は4千万弱なのも気になるところです。

2019年12月に2000万程度の調達を予定しているようです。規模が大きくないので株の希薄化はそれほど気になりません。2021年以降は売上総利益率が90%を超える予定であり、登録者も数十万から200万人超えへ増える予定とのこと。これほどまでに自信がおありであれば、数億円を増資して広告をもっと出せばよいと思います。

売上、広告計画は相当に甘い計画に見えます。

引用:FUNDINNO公式サイトより

 

スタディオティガ社IPO時リターン

募集前のバリュエーション(時価総額)が3.45億円です。満額、募集が集まった場合のバリュエーションは3.88億円です。今回のバリュエーションは他案件に比較的高いです。

IPO時に何倍になるのかは、時価総額により変わりますので、一概には言えません。成長性や事業規模、需給等によって変わりますが、他の企業が上場した際の時価総額が参考になると思います。

参考企業 初値時価 投資に対するリターン※万円
10万円 30万円 50万円
識学 111億円 286 858 1430
カオナビ 209億円 539 1616 2693
スマレジ 292億円 753 2258 3763
Mフォワード 548億円 1412 4237 7062
Sansan 1420億円 3660 10979 18299

仮に、識学 並みの時価総額で上場し、初値で売った場合は以下の通り。

  • 10万円投資 →  286万円
  • 30万円投資 →  858万円
  • 50万円投資 → 1430万円

※募集額が満額集まった場合のシミュレーションです。募集後に発行株数が増減した場合、この通りにはなりません。税金を考慮していません。

※会社が倒産した場合など、投資資金がゼロになるリスクがあります。上場企業と違い自由に株を売ることができません。出資したまま資金が何年も拘束されることもあります。

 

FUNDINNO 84号案件 株式会社スタディオティガまとめ

まとめです。

マネジメント経験が少なく不安がありそう。

事業計画や費用計画に甘い点があり、会計的な視点で見れる人材が必要。

ビジネス構想やマーケティング戦略面が曖昧で筋が通っていない個所が多い。

増資に成功しないと資金面で苦しく、計画がとん挫する可能性が高い。

バリュエーションは比較的高い。

 

アジアの教育格差を是正するという理念は素晴らしいと思います。ただ、ビジネスモデルは分かりにくく、ふんわりしていて曖昧で筋が通っておらず、計画も相当に甘いと思います。投資家から資金を出させるのであれば、もう少しビジネスモデルや計画をブラッシュアップして頂きたいです。

何度も読んだり聞いたりしないと理解できないビジネスというのは流行らないです。利用者が理解できないから。より簡潔に、一言で言えるようなビジネスを作るということを心掛けるべきです。

 

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