投資型クラウドファンディングで投資してはいけない経営者は?

投資先判別法

前回は良い経営者を見分ける方法でした。今回はダメな経営者を見分けることに着眼点を置きます。ビジネスモデル等を見るまでもなく見切れるので、簡易的に瞬時に、投資不適格な会社を見分けることができると思います。

 

覚悟・誠実さのない経営者

前回、経営者の情熱を測るということを書きました。今回は不誠実な経営者の典型例を挙げます。

社長が兼業、兼任している

IPOを狙うのは相当な労力が必要です。社長が、他社や親会社等の社長や役員を兼業するのは論外です。投資を見送った方が良いと思います。時間を割くことができないだけでなく、逃げ道を残していると言え、覚悟の無さが伺えます。

ただ、社長以外の役員や取締役の方は別です。兼業しながら手伝っているケースがあるからです。この場合はむしろ、ほぼ無給で働いている可能性が高いため、熱意や覚悟があると評価できます。

子会社を使って資金集め

親会社の社長が子会社を設立して、子会社でクラウドファンディングをして資金を集めるという場合です。子会社が潰れても親会社は残りますので、切り捨てればよいということになります。覚悟のなさを端的に表していると思います。このような案件への投資はしない方が無難と言えます。

子会社でお金を集めた後に、自分の経営する親会社へ広告費や研究開発費を支払うというケースもあります。親会社へ資金を還流させる目的で資金集めをした可能性があります。

子会社が親会社から多額の借金をしている場合、借金の回収のために資金集めをしているのでは?と疑わしいケースもありました。

子会社での資金集めの場合、親会社の財務諸表は公開されません。親会社が非上場であれば、どんな状態なのかもわからないということです。そういう会社に殆どの株を握られているという状態を怖いと思いませんか?

子会社を使っているケースがすべてダメというつもりありませんが、色々な面で不誠実な資金集めだと思いますし、私は絶対に投資はしません。

会社資金を経営者へ貸付している

実際にある案件でありました。これは2回目の募集でした。会社が社長に対して数百万円を貸し付けていました。1回目で募集した会社資金に一部を社長に貸付けていたのです。会社の金は自分の金だと思っていると思われても仕方ない事例です。会社のお金は出資者である株主のものです。

その案件は1回目募集時の計画の半分以下の未達という体たらくです。絶対に投資をしてはいけない経営者の筆頭と言えます。

お金を大事に扱える経営者か?

投資家から預かった資金を、自分のお金のように使う経営者が散見されます。株主から預かった資金を大切に使おうとしているか?という視点で見ると、経営者の質を炙り出すことができます。

会計的な視点から経営者を判別

「お金を持つと、時間を買うという名目で、思考停止してしまう経営者が多い。とりあえず深く考えず広告を打つ、人を雇う、オフィスを広くする。回収を前提とした事業投資ではなく、消費してしまっている。それでは価値を生み出せません。お金を使わず頭を使え。」

元VCでカカクコムやクックパッドの社長を歴任した穐田さんの言葉です。この言葉を念頭に置き、経営者を判断する材料にするのが良いと思います。

過去のBSを確認する

過年度の決算実績の項目をみれば一目瞭然です。売上と比較して、保有現金が少なく、借入金が多い場合は注意が必要です。保有現金が数千~数十万円しかないという案件もありました。資金的な計画性のなさを端的に示していると思います。

多額の借入や出資を前提に事業計画を立てている場合、借入や出資で資金調達できない場合に、計画が破綻するリスクが高くなります。

広告宣伝費が多い

穐田さんの言葉にあるように、モノを売るにしても知恵を絞って売ることを優先すべきです。広告に頼らないと拡販できないというのは問題があります。資金調達後に1000万円以上の広告費を使うような計画の場合は、経営者の金銭感覚や経営スキル、ビジネスモデル自体に問題がないか疑ってみましょう。

ただし、サービスや商品がすでに完成していて、広告費をかける以上の売上や利益を論理的に計算できるのであれば、広告費を使うことを否定するものではありません。

役員報酬や人件費が多い

クラウドファンディングで出資を募っておきながら、多額の役員報酬を貰う、というのは違うと思います。生きていく上で最低限の報酬を貰うのは問題はありませんが、募集後に急に人件費が跳ね上がる計画を立てている経営者が散見されます。そういうケースは要注意でしょう。

複数人の役員・取締役や顧問がいるケースは注意が必要です。有名人や顧問の大学教授などは、殆ど名前だけで報酬を払っている可能性があります。本当にこの人物は必要なのか?居たらどう役に立つのか?ということを検証すべきです。有名人や凄いと思う人が混ざっていたら、それを餌に出資させようとしているのでは?と、少し疑ってみてください。

資本計画に不可解な点

資本金、資本準備金の合計額を確認してください。将来、この合計額が増加している場合、増資を予定しているということです。何度も増資を計画していたり、大規模な増資の場合、注意が必要です。急成長する過程において、それなりの増資は問題ありませんが、前述のように、雑にお金を使って、資金が不足して増資では話になりません。何度も増資を計画している場合は、既存株主を軽視している可能性もあります。

詐欺行為をする予定だった可能性

穿った見方で申し訳ありませんし、悪質な行為をする方はいないとは思いますが。騙されてからでは遅いので、自分できちんと調査したうえで投資するようにしましょう。経営者の懇意の会社や役員の会社へ資金を還流させるという可能性も疑わなくてはいけません。取締役や役員の素性は徹底的に外部のサイト等で調査した方が良いと思います。特に広告費や人件費を多く計上する予定の会社は要注意です。そういう費用項目を使って、見かけ上、問題ないように資金を横流ししているかもしれません。

また、会社に多額の貸し付けをしている経営者の場合は注意が必要です。集めた資金を貸し付けの返済に使わないという確認をしていたとしても、資金を持ち逃げされれば、仲介サイトは捜査できませんし、投資家は泣き寝入りするしかない可能性が高いです。

経営者としての能力を見分けるには?

能力を見分けるのは実際に話してみたりしないと、なかなか難しいですが、前述したように、計画などから透けて見えることもあります。ここではその他に簡易的に見分ける方法を紹介します。

経営陣のスキルに偏りがある

前回の記事でも書きましたが、偏りのあるチームは成功しにくいと思います。経営者であれば当然知っているべきことを知らないばかりに危機を回避できない。発想や思考が似ているため、常識にとらわれる。間違えていることに気が付かない。などの弊害が生じます。

例えば、このような経営陣には要注意です。

  • 社長が技術者で仲間も技術者の集まり(スキルに偏り)
  • 不動産分野出身者ばかり(出身分野に偏り)
  • 文系の人間ばかりで技術に疎い(ITや技術に疎い)
  • 会計的な素養をもつ方が1人も居ない(会計に弱い)
  • 経営やマネジメント未経験者ばかり(事業管理能力の欠如)

仲間や人脈が無い

経営をする上で仲間を作っていくことは非常に重要です。社長1人ではどうにもならないことが沢山ありますし、事業というのは結局は人ですべて決まります。

クラウドファンディングで資金集めを行う段階で、ある程度のチームを作れていない経営者は問題があります。人件費が大きくなるため、人数が多ければ良いというものではありませんが、1~2人では、これからの事業拡大に対応できるのか甚だ疑問です。できれば、無償で手伝ってくれる人材が数名いるのが望ましいと思います。

マネジメント以上の役職や役員経験者や自信で事業をしていた方であれば、それなりの人脈はあるはずですので、事業拡大に伴い、資金拡充後に新規で仲間を集めていける可能性もあります。

投資型クラウドファンディングで投資してはいけない経営者は?まとめ

覚悟や誠実さの足りない経営者は避ける。

  • 社長が他に兼業、兼任している
  • 子会社で資金集めをしている
  • 会社から経営者へ貸付けをしている

株主のお金を大事に扱うことのできない経営者は避ける。

  • 保有現金や売掛金の残高が少なく、借入金が多い
  • 広告費を1000万以上使う計画をしている
  • 役員報酬や人件費を使いすぎる計画をしている
  • 資本金が増加する計画をしている

経営スキルがない経営陣を避ける。

  • 仲間のスキルや得意分野に偏りがある
  • 人脈やチームを構成する力がない

その他として、詐欺的な行為をしようとしていないかを確認してください。

 

良いビジネスモデルや技術があっても、経営者が2流であればIPOに至りません。

様々な面から、資金を託すに値する人物か?を見極めて頂ければと思います。

 

 

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